ナレッジベースの杉山です。
「第1回ソフトウェア品質保証責任者の会 Re-born 活動成果報告会」に参加してきました。
多分、関西圏でソフトウェア品質管理についてここまで熱心に取り組んでいるグループは無いと思います。
残念なことに大阪を中心とした関西地区には、ソフトウェア品質管理についての専門家が少ないのが現状です。
これは、大規模な企業のほとんどが東京を中心とする関東に本社機能を移転してしまったことが大きいと感じます。
ソフトウェア品質管理は短期的に効果がでません。このため、ある程度の利益を確保できる規模の会社でないとなかなか社内のリソースをさけません。
将来的に品質向上が利益につながるとしても、中小企業では短期の利益に目が向きがちです。
情報セキュリティもそうですが、仕掛けを導入するための費用負担も二の足を踏ませる理由になるかと思います。
だからと言ってまったく取り組みをしない訳でもないのですが、見ている限り上手くいっていないのが現状のようです。
原因のひとつとして、現場の理解が得られていないことです。
品質管理するために様々なデータの収集が必要ですが、登録の手間がかかるのでうんざりされてしまいます。
また、定期的な進捗報告での資料作りに莫大な時間と手間がかかることです。
プロジェクトのリーダーが、様々な会議資料作成に忙殺されて、肝心のプロジェクト管理がおろそかになり機能不全になっている様を何度も見ています。
最後に、品質管理のデータを読み解けない上司です。
手間を掛けてデータを登録し、がんばって報告資料を作成して、上手くプロジェクトが進んでいないことも叱責されたのでは、品質管理など不要と考えるのはあたりまえです。
何も改善、解決しないのであれば、無駄な手数です。
今回報告されたなかで、上手くツールを連動させて情報収集が自動化される仕組みを構築されており、収集したデータを自動でグラフ化するしすてむを構築された事例がありました。
省力化、自動化のためには、システムを構築する時間が必要なのですが、会社としてソフトウェア品質管理の重要性を認識しているが故に、開発していることが解ります。
上司もグラフ化された情報を読み取ってプロジェクト管理に活かされているようで、非常に興味深い内容でした。
今後、CATなるツールについて、調べてみたいと思います。